あるとき無性に筋トレがしたくなり、2つの棒(または台)に手を乗せて体を上下させる・・・。
それ、「ディップス」という立派な筋トレ種目です。
ディップスは筋トレを知らない人でも無意識にやった経験のある(と思われる)定番の動作でありますが、実は上半身を効果的に鍛えることのできるトレーニング種目です。
ここでは、そのディップスのやり方や効果について詳しく解説していきます。
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ディップスとは
出典:risounonikutai.com
ディップスとは、自重トレーニングの一つであり、主に上腕三頭筋や大胸筋を鍛えるとレーニング種目となります。
チンニングと同様に自重による負荷が基本となりますが、ディッピングベルトなどを使用することでウエイトをぶら下げることによってより高い負荷を掛けた状態でトレーニングをおこなうことも可能となります。
ディップスで鍛えられる部位

ディップスはどの部位を意識するかによって鍛えられる部位を変えることのできるトレーニング種目でもあります。
初心者をはじめとした多くの方は上腕三頭筋への刺激を感じる方が多いかもしれません。
また、筋トレを一定のレベルで習得している方などは、大胸筋への刺激を与えることをメインとする方もいたりと様々です。
ディップスの正しいやり方・フォーム
出典:kintorecamp.com
※ここでは、専用のディッピングスタンドを用いるやり方について説明していきます。
まず、ディッピングスタンドに対面します。体を腕で支えるように両サイドにある2本のグリップを握りましょう。
その際、脚は交差しておくことで体全体のブレをなくすことができます。
次に、肘を曲げながらゆっくりと体を沈めていきます。
肘の角度が90度となる位置まで体を沈めたら、腕を伸ばしながらゆっくりと体を持ち上げる動作を繰り返しましょう。
- ディッピングスタンドに対面する
- 体を腕で支えるように両サイドにある2本のグリップを握る
- 脚は交差しておく
- 肘を曲げながらゆっくりと体を沈めていく
- 肘の角度が90度となる位置まで体を沈めたら、腕を伸ばしながらゆっくりと体を持ち上げる
- 1~5の動作を繰り返す
ディップスのトレーニング回数・頻度について
ディップスで大胸筋や上腕三頭筋をしっかり筋肥大させるためには、適切なトレーニング回数や頻度を設定することが重要です。
トレーニング回数について
ディップスは自重を負荷とするトレーニング種目ですので、ウエイトなどによる細かい負荷調整ができないメニューです。
こなせる回数には個人差がありますので、1セットあたり5~10回程度をこなすと良いでしょう。

トレーニング頻度について
基本的なトレーニング頻度としては2~3日の間隔を空けて、週2~3回のトレーニング頻度を基本としましょう。
しかしながら、ディップスは自重トレーニングという性質上、大きく体力を消耗するため他のトレーニング種目との兼ね合いで疲労が抜けにくい場合もあります。

ディップスのポイント・注意点
効かせる部位を角度で調節
ディップスの特徴として、上体の角度を調節することで効かせる部位を調節できるというものがあります。
上体の角度によって大胸筋、上腕三頭筋のどちらをメインに効かせるか変化をつけることができます。
・上体を起こして動作をおこなう
上腕三頭筋への刺激がメインとなります
・上体を前のめりにして動作をおこなう
大胸筋への刺激がメインとなります
体幹を意識する
ディップスは腕を伸張させる動作によって体を上下させることになりますので、大胸筋へ効かせるために上体を前のめりにしていると体が揺れやすくなってしまいます。
体が揺れ続けている状態で動作を続けると、自分の効かせたい部位の筋肉を追い込みにくくなりますので体幹を意識して体の揺れを最小限に留めるように意識しましょう。
体幹を鍛えたい方は下記の記事のトレーニングを参考にして、しっかりとした体幹を手に入れましょう!
効かせるにはゆっくり下ろす動作を意識
ディップスで大胸筋・上腕三頭筋をより刺激するためには、腕を曲げて体をゆっくり下ろす動作(ネガティブ動作といいます)を意識することで筋肉へしっかりと刺激を与えることができます。

背中を丸めない
背中を丸めた状態で動作をおこなうと肘へ過剰な負荷がかかってしまい、痛めやすくなってしまいます。
大胸筋へ効かせる目的で状態を前のめりにすることは問題ありません。

ディップスの効果とは
ディップスは自重を使ったトレーニング種目となりますので、高い負荷によって大胸筋と上腕三頭筋をしっかりと追い込むことができます。
更には、ディッピングベルトなどでウエイトを増やした状態で負荷を高ればベンチプレスと同じくらいのトレーニング強度で動作をおこなうことができます。
ディップスはネガティブ動作だけでも十分に大胸筋・上腕三頭筋へ効かせることができますのでバーベルと違ってウエイトを落下させるリスクがなく、一人でも比較的安全に高強度なトレーニングをおこなうことが可能です。

トレーニングの負荷を高めるには
ディップスは自重による負荷が基本となりますが、ディッピングベルトなどを使用することでウエイトをぶら下げることによってより高い負荷を掛けた状態でトレーニングをおこなうことも可能となります。
【EN-FIT】ディッピングベルト ディップスベルト

【BODYMAKER/ボディメーカー】 トレーニングチェーン 8.0kg TG197800

また、トレーニングチェーンもディッピングベルトと同じく自重よりも負荷を高めるためのアイテムとして使用できます。
チェーンを体に巻いた状態でおこなうディップスはワイルド感を非常に感じることができますので、自分自身のモチベーションアップにも良いでしょう。
ディップスは場所を選ばない
ディップスは腕を支えて体を上下させるだけのトレーニング種目ですので、専用のトレーニング器具がなくても動作をおこなうことができる種目です。
平行棒や椅子を使用したりと、身近にある様々なアイテムを活用することでもディップスをおこなうことは可能です。
平行棒
出典:bodychange.de
安定性があり平行棒を握ることでしっかりと体を安定させた状態でディップスをおこなうことができます。
椅子
出典:wordpress.com
椅子を2つ背中合わせにすることでディップスをおこなうことができます。(安定した状態であるかしっかりと確認しましょう。)
また、初心者の場合は椅子の座面に手をついておこなうのも良いでしょう。
床に足を付けた状態にしておくことで、自重の掛かり具合を調節しながら動作をおこなうことが可能となりますので、筋力に不安のある方におすすめです。
なお、専用器具以外でディップスをおこなう際は、椅子の安定性を確認するなど自重に耐えられるか等、安全性に配慮してトレーニングをおこなうようにしましょう。
もし可能であれば、自宅に専用のディッピングスタンドを用意するのも良いでしょう。
専用の器具であれば、ディップスだけでなくチンニングもできるタイプが多いです。
IROTEC(アイロテック)ディップスタンド/ 懸垂器具

ディップスと関連するトレーニング
チンニング

チンニングとは、広背筋をメインとして上半身全体の筋力を鍛える種目です。鉄棒などバーにぶら下がった状態で腕を曲げて体を上下させる動作をおこなうトレーニングメニューです。
- 足を後ろで軽く組む
- 目線を少し上、バーの中央に向ける
- 胸をバーに近づける間隔で、できる限り体を引き上げる
- 肩甲骨を引き寄せるよう意識する
- 限界のポイントに達したら1秒程静止する
- 息を吸いながらゆっくりと腕を伸ばしていく
- 下まで下げきったら次の動作へ


<最適な回数とセット数>
8~10回×2~3セット。
ベンチプレス

ベンチプレスとは、大胸筋・三角筋などの筋力を鍛える種目です。シートに仰向けになった状態でバーベルを上下させる動作をおこなうトレーニングメニューです。
- ベンチに仰向けになり、目がバーの真下にくるように調整する
- バーを肩幅よりやや広めの位置で握り、背中をベンチから浮かせて左右の肩甲骨を引き寄せる
- バーをしっかりと握ってラックから外し、息を深く吸ってバーを胸骨(胸の下の位置)に向けて下ろす
- 肘は45度に曲げて体側に引きつける
- バーが胸に触れたら足で床を強く押し、息を吐きながらバーを押し上げる


<最適な回数とセット数>
8~12回×3~5セット。
プッシュダウン

プッシュダウン/U>とは、上腕三頭筋の筋力を鍛える種目です。
専用のケーブルマシンにグリップやバー、ロープといったアタッチメントを付け、上から下に押し下げる動作をおこなうトレーニングメニューです。
- ケーブルマシンに使用するアタッチメントを付けます。
- 上腕三頭筋のみでコントロール可能な重量に設定します。
- 肩幅程度に足を広げて、バーも同様の間隔をあけて順手で握ります。
- 両肘をおよそ90度に曲げ、胸の高さにグリップを構えます。
- バーを肘の横の一致まで下に引っ張り、固定します。
- 脇が開かないように締めたまま、息を吐きつつバーを下ろしていきます。
- 前腕だけを動かすことを意識しつつ、できるだけ押し下げます。
- 太もも前面に軽く触れる程度の位置まで下ろします。
- バーを下ろしたら、戻す前に5秒ほど静止します。


<最適な回数とセット数>
10~15回×3~5セット。
ディップスのまとめ
ディップスは自重トレーニングでありながらも、筋力のない方は椅子を活用し、地面に足をつけて負荷を軽減したり、よりハードなトレーニングを求める方にはウエイトを増やして大胸筋と上腕三頭筋を強力に刺激していくなど、工夫をすることでそれぞれの目的に合わせて負荷を調整できるトレーニング種目です。
また、メインのトレーニング種目となるだけではなく、動作の特徴を活かして上半身の追い込みメニューとして活用できたり、ジムに通う時間がない方には身近な器具を使って手軽に上半身を追い込めるなどさまざまなメリットも併せ持っています。
どのようなシチュエーションにも対応できるように、日ごろからディッピングを取り入れて正しい動作を習得しておきましょう。